リモカマガジン第32号


救っていたのはアフリカだけじゃなかった! ノーベル医学・生理学賞受賞の大村 智先生

  わんこ
雨が上がりからっとした日が続くようになりました。すっかり秋めいてきましたね!
さて、受賞者が発表され連日の日本人受賞でにわかに話題にのぼっているノーベル賞。今回は医学生理学賞の受賞が決まった大村先生が、実は犬や猫の命も救っていたというお話です。



*〜*〜* 目次 *〜*〜*

特集1……救っていたのはアフリカだけじゃなかった! ノーベル医学生理学賞受賞の大村智先生


 

≪特集≫ 救っていたのはアフリカだけじゃなかった! ノーベル医学生理学賞受賞の大村智先生

  はかせ
   
◆数億人を救った大村先生
今回ノーベル医学生理学賞受賞を受賞した大村智先生は、採取した土から微生物を培養して調査するという時間も根気も必要な方法で長年にわたり研究を続けてきた教授です。この地道な研究でこれまでに450種を超える新しい化合物を発見しました。
中でも1979年に発見された「エバーメクチン」が、熱帯域で蔓延していた寄生虫病の特効薬へと繋がり数億人もの人々を救ったことで大きな話題になっています。

◆熱帯地域を襲う感染症
・オンコセルカ症
回旋糸状虫による感染症。激しいかゆみ、発疹、リンパ節の腫れ、視覚障害といった症状が発生。失明する場合もあります。
河川で繁殖するブユが人を刺すことによって広がるため主に河川付近で流行するのですが、そのために河川付近を避けることが食糧不足の要因ともなってしまうのです。

・リンパ系フィラリア症
こちらも蚊を媒介に感染する病気です。
感染初期はあまり症状がないため、多くの人は感染に気付きません。成人になってから、リンパ管炎、リンパ節炎を伴う発熱を繰り返すうちにリンパ液の還流障害をきたすようになります。そして、リンパ浮腫、象皮病、生殖器の浮腫といった諸症状を発症します。
この病気が原因で死亡する例はほとんどありませんが、免疫力が低下するため他の病気にかかるリスクが高まってしまうのです。

これらの感染症は蚊が発生しやすい熱帯地域で主に見られ、多くの人々を苦しめていました。しかし、流行していたのは発展途上国。住民の健康管理意識も低く、資金不足などの理由から治療法の開発も遅れていました。

◆イベルメクチンの誕生
大村先生が発見した「エバーメクチン」は寄生虫の駆除に高い効果を持っていました。そこから「イベルメクチン」を開発、寄生虫の駆除薬として実用化に成功。
副作用が少なく寄生虫には効果てき面だったこの薬はすぐに世間に受け入れられたようでした。
1980年代後半にWHOが開発を行った製薬会社メルクからこの薬の提供を受け、アフリカなどでの配布が始まりました。
貧しく頻繁に医者にかかることができなかった人々には朗報だったはずです。しかも「イベルメクチン」は年に1〜2回処方すれば良いという手軽さは、健康意識の低い人々にも負担にならずに受け入れ、数多くの人々を感染症から救いました。



「イベルメクチン」と愛犬のフィラリア

  ハチ公
   
さて、この「イベルメクチン」ですが、愛犬家の皆様も使われているでしょうフィラリアの薬の主成分となっています。
多くの犬が感染しているというフィラリア。渋谷駅でご主人を待ち続けたハチ公も、フィラリアに感染していて心臓には大量の寄生虫が棲んでいたんだとか……!
つまり多くのわんちゃんは日頃から大村先生のお世話になっているようなものですね。


・犬のフィラリア症
フィラリアという寄生虫によって引き起こされる感染症。これも蚊を媒介に感染します。
犬の中に入り込むと皮下や筋肉の中で成長し、血管に入り込んで心臓に向かいます。そうして感染から約半年後に心臓や肺動脈に住み着いて成虫になり、繁殖していくのです。

・フィラリアの症状
フィラリアに感染してもしばらくは何の症状も現れません。多くは数年経過してから症状が現れます。
息が荒い、咳をするなどの症状が現れ、元気がなくなったり散歩を嫌がったり、突然倒れるなどの症状も見られるようになります。
やがて食欲不振、嘔吐、貧血、お腹に水がたまるなどの重篤な症状になり、心臓、肺などの内臓が機能不全に陥り、苦しんだ末に死亡してしまいます。

・フィラリアの予防
蚊に刺されるだけで感染するとは聞くだに恐ろしいフィラリアですが、きちんと予防薬を投与すれば防げる病気です。
錠剤チュアブルなどのおやつ型を月に1回食べさせるか、毎月1回液剤を皮膚に滴下するか、注射を受けるか、わんちゃんに適した投薬方法を選ぶことができます。
屋内でも蚊にさされることはあるので、室内飼いだからと油断せずに予防したほうが良さそうです。

ただし投薬は獣医さんの指示で行いましょう!
すでにフィラリアに感染している場合、薬で死んだ虫が血管に詰まり犬の突然死を招く可能性もあります。
また、特効薬の「イベルメクチン」が害になってしまう犬種もいるようです。


◆大村先生がペットの寿命を延ばした!?
「イベルメクチン」が実用化された1980年代以降、ペットの寿命は劇的に延びています。当時3〜4年程度だったものが今では10年以上なので実に3倍ほど!
室内飼いになったこと、ペットフードの普及などの要因もありますが、寄生虫症で亡くなった犬が多かったことを考えるとフィラリア対策に貢献した「イベルメクチン」、そして研究開発した大村先生の功績も少なくなさそうです。




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編集後記

 
   
 
 
人々の助けになる研究成果が評価された大村先生ですが、たくさんの名言を残してくださいました。「すべて微生物の皆様がやっている仕事を勉強させていただいた」ととても謙虚な姿勢で、共に研究を続けてきた仲間たちには感謝の意を表していました。大村先生の謙虚で献身的な生き方、価値観にも学ぶべきところがあるように思います。
(編集部員 リカより)



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